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春茶2014 Ⅲ

 前回のつづきです。

 今回仕入れた茶葉でパイナップルの様な香りのする金萱茶があります。最近流行の焙煎でしょうか、少し酸味のある濃香な焙煎になっていて金萱茶の特徴の乳香と酸味が合わさってパイナップルの様な香りがします。他の品種でも使える焙煎方法で面白いとは思いますが、お気に入りの金萱茶があってこれも有ったら楽しいかなぁという感じでしょうか。

ベテランの腕にかかるとこうなるのかと納得させられる仕上がりになっていてすばらしい出来具合でおすすめです。数年寝かせると焙香が落ち着いていい感じになりそうです。

同じ茶師のお茶は他に包種茶と鉄観音紅茶を少量仕入れて来ましたがこれも素晴らしい仕上がりです。茶葉は台北近郊の文山区で栽培され、靑竈では木柵正叢鉄観音をメインに扱っています。

     

    

 

 最終日の午前中に宜蘭の畑を見学に行って来ました。ここは9年前に有機栽培から無施肥の栽培方法に変更されました。肥料を使っていた状態から土壌や環境が自然の循環に戻って行くには長い年月が必要です。雑草と共に生きている茶樹には多種の虫たちが生息していました。ここでは虫も取りません。虫は他の虫や鳥たちが食べるのです。苗を植えてから三年はほとんどの茶葉が虫に食べられて残りませんが、その間に根が太く深く土の中に育って行くそうです。そうして鍛えられ育った茶樹は、少しばかり葉を虫に食べられても、たくましく生き生きと育っていました。

 

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 畑の見学を終えた後、農家の夫妻に昼食を御馳走になりました。あとは桃園空港に向かうだけでしたが、LCC(格安航空会社)の搭乗手続きは余裕をみて早めに済ませないといけません。チェックインカウンターを一時的に借りているLCCは1時間以上前が決りです。バスを乗り継いでの空港までの時間を考えると、昼食の時間は30分しかありません。
 近所のレストランに向かったのですが、何と回転式の大きなテーブルに大皿で次々に料理が運ばれてきます。どれも舌鼓を打つ料理ばかりでしたが、残念ながらゆっくりとは味わうことはできませんでした。

 

 今回は一件の農家を省いてはどのお茶も良い出来具合でした。手運びの限界もあり、素晴らしい茶葉を少しずつしか仕入ることは出来ませんでした(前々回の記事参照)が、こんなに好いのは数年ぶりか、ここ10年で最好かも?と思える茶葉も多数あり、手応えのある仕入れが出来たことを農家と茶師と共に喜びたいと思います。

 

 最後に・・・この10年付き合っていただいた茶農・茶師、台湾茶と日本の緑茶の普及に尽力された王詠政さんのご冥福を祈ります。
 

 

 

                               

 

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